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コラム

防犯カメラの防犯以外の使い方とは

「防犯カメラ」と聞くと、空き巣や万引き、不審者対策などを思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、最近では“防犯”の枠を超えて、様々な業界・現場で防犯カメラが「業務支援ツール」、「情報収集ツール」として活用され始めています。

映像のリアルタイム配信やAI技術の発展、クラウド活用といった技術が進化した今、防犯カメラは単なる監視装置ではなく、「見える化」や「トラブル予防」、「業務改善」にも活用できる多機能ツールとなっています。

今回は、防犯カメラの“防犯以外の使い方”について、具体的な業種別の活用事例を交えながら詳しくご紹介します。

製造現場での作業効率の向上と安全管理

作業分析・動線の最適化

活用例:金属加工工場(中小製造業)

ベテラン作業員と新人の作業映像を比較し、無駄な動きや危険な作業姿勢を可視化。そこからマニュアルを改訂し、新人教育の効率を向上させたケースもあります。作業のムダやロスを減らす「現場の見える化」ツールとして重宝されています。

ヒヤリハットの記録

活用例:食品加工工場

「製品が機械から落ちた」、「手袋が挟まれた」といった軽微なインシデント(事故寸前のヒヤリ)も、映像記録があれば原因が特定しやすく、再発防止策をスピーディに立案できます。

店舗やサービス業での接客向上とクレーム対応

接客品質の確認とスタッフ教育

活用例:カフェチェーン

お客様との会話内容や表情を映像で確認することで、「どのような言葉遣いが印象がよいか」、「待たせすぎていないか」などを分析。接客の良し悪しを“感覚”でなく“映像”で共有し、全店舗の接客品質を標準化する取り組みが進んでいます。

トラブル時の証拠保全

活用例:ドラッグストア

「レジで釣り銭が違った」といった申し出に対して、映像を確認して事実を特定。お客様にも映像を見せることで、納得してもらえたという例があります。不要な謝罪や返金リスクを減らす意味でも、記録の役割は大きいです。

オフィスや施設の業務管理と遠隔支援

テレワーク中のオフィス監視

活用例:IT企業

社長やマネージャーが在宅勤務中でも、出社している社員の状況を確認したり、来客対応の様子を遠隔で見られるように設置。簡易なセキュリティと業務チェックを両立できます。

清掃・点検状況の確認

活用例:ビルメンテナンス会社

現場の清掃作業が計画どおり行われているか、定点カメラで確認。映像で作業完了報告ができるようになり、報告書作成の手間も削減できました。

高齢者や子どもの“見守り”ツールとして

学校・保育施設での安全確認

活用例:幼稚園・学童クラブ

保護者が決まった時間に子どもの様子をリアルタイムで確認できる「ライブカメラ」サービスを提供。保育士の対応の質向上にもつながり、保護者の安心感アップにも貢献しています。

離れて暮らす家族の安否確認

活用例:一般家庭

高齢の親が独り暮らしをしている家庭で、リビングと玄関にカメラを設置。スマホアプリから「きちんと朝起きているか」、「訪問販売が来ていないか」をチェック。プライバシーに配慮して映像の範囲や通知設定を調整する工夫もあります。

無人施設・屋外設備の遠隔監視

屋外設備の監視

活用例:太陽光発電設備の遠隔管理

山間部などに設置した太陽光パネルの盗難防止だけでなく、雪や落ち葉でパネルが覆われていないかを遠隔でチェックするためにカメラを設置。保守業務の効率化に役立っています。

コインランドリーや無人店舗の稼働確認

活用例:24時間営業の無人店舗

来店者数の記録、防犯目的、清掃のタイミング判断に加え、機械の稼働状況も確認。異常発生時にリアルタイムで異常検知→管理者へアラート通知するシステムと連携させることで、省人化と安心を両立することができます。

災害・事故・異常の記録装置として

水害・雪害のリスク把握

活用例:河川沿いの企業・駐車場

大雨での冠水リスクがある地域で、敷地の映像を記録し、被害状況を保険会社へ提出する証拠として活用。また、事前の水位変化の監視により、設備の移動や緊急連絡体制の判断にも貢献しています。

設備トラブルの原因調査

活用例:自動搬送装置付き倉庫

機械が突然停止した際の直前映像から「荷物のはみ出し」「センサーの遮断」など原因を特定し、現場に行かずに復旧指示を出せた例もあります。再発防止にも役立ちます。

まとめ:防犯を超えた“資産活用”の時代へ

防犯カメラは今や、防犯という一目的のためだけの装置ではなく、「業務効率化」、「顧客対応力の強化」、「設備保守」、「災害対策」、「見守り」など、幅広い課題を解決するツールへと進化しています。

映像を“記録する”だけでなく、“活用する”という視点を持つことで、防犯カメラは企業や個人にとって「費用」ではなく「投資」となり得ます。重要なのは、目的に合わせた適切な機種選定、設置場所の工夫、プライバシーへの配慮、そして映像の運用方針です。これらを整えることで、防犯カメラは“映像資産”として企業や暮らしに大きな価値をもたらすでしょう。